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真宗の葬儀作法

葬儀

 葬儀は、本来「自宅での出棺勤行・葬列を組んでの野辺送り・葬場に飾り棚を置いて行う葬場勤行」と、順に場所を移動して行う儀式全体を指すものでした。現在は、葬祭会場で、出棺前にまとめてお勤めをして葬儀とし、野辺送りや火葬場での勤行は略されています。
 葬儀の際のお飾りは、現在では背の高い葬儀壇を使用する場合がほとんどですが、いずれにしろ、枕勤めや通夜と同様、ご本尊を中心としたお飾りというのに変わりはありません。 もし、葬祭会館などご本尊のない場所で葬儀を行う際には、
手継寺の指導を仰いでご本尊を中心に安置します。
ご本尊中心図
具体的な飾り方で気を付ける所を挙げますと、

@白幕などに隠れないよう、
ご本尊を中心に安置します。

A白幕には
家紋などを入れません(無地にします)。

B法名・遺影はご本尊の脇となるように置きます。その際は
ご本尊を隠すことのないよう下段に並べて置くのが良いでしょう。

C華束・根果餅にあたるお飾り以外には
余分な供物を置きません。特に、迷信に関わるものや、一膳飯・剃刀なども置きません。

D生花を飾る際には、ご本尊の御前にふさわしいお飾りを心がけましょう。例えば、
法名・遺影をことさらに際だたせるような飾りを避けましょう。もちろん、ご本尊が隠れるほど極端なものはいけません。

Eその他周囲に
家紋の入ったものを飾らないようにします。家紋の入ったお骨箱なども置きません。

F燃香をする場合は、
線香を一本立てにしません。香炉に入る長さにし、灰の上に置くようにして燃じます。

Gイラストや説明にないものは、特殊な例を除き、
おおよそ葬儀壇には置いてはいけないものです。詳しくは手継寺に相談してください。

その他、自宅や会場の門前にも葬儀式にふさわしいお飾りをすることとなります。夜間の弔問者のために用意した提灯などもお飾りの一つとしてよく設置されます。 この場合、真宗の葬儀にふさわしくない言葉や家紋などを掲げないように気をつけてください。 たとえば、御霊灯や○○家などの文字や家紋入りの提灯を掲げることは慎み、何も書いていない無地のものにしたり、法名や法語など、真宗の葬儀にふさわしいものにします。 また、道中の案内看板はともかく、入り口に置く式場看板においても前と同じ理由で○○家でなく個人名を記したものにすべきです。 さらに付け加えると、幕や提灯にむやみに「忌」の字を使うのも避けます。特に忌中幕や忌中簾は死を穢れとした考えから来たもので、ある種の境界線という意味で使われてきました。 清めの塩と同様、真宗の葬儀をないがしろにする由々しき間違いとして気をつけたい所です。
 細かいことにまで注目すれば、世間的な配慮などまだまだ気をつけねばならない所はたくさんありますが、とりあえずここでは真宗の葬儀式としていかなる配慮に目を向けるか、に焦点を当てております。 世間的なことは各々の事情での違いが大きいというのも理由の一つです。 私たち真宗門徒にとって、仏事としていかに大切に葬儀式を行うかは、事情を超えて共通する課題でしょう。
 今まで無宗教の告別式のごとく、遺影を中心にするお飾りを続けてきた所では、いろいろ変更が必要となり、大変かもしれません。 しかしそれは、残念ながら
私たち真宗門徒自身が、本来先達が大切にしてきた姿勢を忘れ、なおざりにしてきたことにも責任があります。 私たち一人一人が、きちんとこの形式にある大切な意義を理解し、ないがしろにすることの無いよう心に刻みつけておくことが大切です。

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