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真宗の葬儀作法

中陰

 火葬が終わり、還骨・無常講のお勤めなどを一通り終えた後は、自宅に中陰壇を設置します。お内仏には白を基調とした打敷を掛け、銀または白のローソクを使用し、花瓶には華美な配色を避けたお花を飾ります。これは、還骨・無常講のお勤めをするときと同じ飾り方です。
中陰壇とは、中陰の間、お内仏の傍らに設置する壇のことを言います。還骨のお勤めを終えてから満中陰までの期間中、故人のお骨をこの壇に置き、法名を掲げ、併せて燭台・花瓶・香炉を置きます。
花瓶には樒を挿し、燭台には銀または白のローソクを使用します。原則としてそれ以上のものを置く必要はありませんが、ここに法名(白木位牌)・遺影を併せて置くことが一般的となっています。あくまでも お内仏を中心とし、その傍らに置く壇です。お内仏をさしおいて 中陰壇だけをことさら飾り立てることの無いようにしましょう。
 たとえば、お花を左右に飾りたいときは、お内仏を無視して中陰壇のみの左右に飾るのではなく、
お内仏と中陰壇を一緒にするような形で左右に飾るべきでしょう。中陰壇が中心にならないように飾るわけです。ちなみに、 中陰中のお勤めもすべてお内仏中心でお勤めをします。 ですからもちろん おリンはお内仏の方に置きます。
 ちなみに、自宅にお内仏のない場合、
まずは住職に相談して下さい。事情が千差万別ですのでこれと規定することは出来ませんが、よく見かけるやり方として、葬儀社が用意する中陰壇用の壇飾りをお内仏の代わりにする方法があります。その場合、中央上段にご本尊を安置します。そして、その傍らにお骨・法名を置き、燭台・花瓶・香炉を置きます。 ご本尊が遺影や法名に隠れるようなことがあってはもちろんいけません。ご本尊については、手継寺の住職と相談して下さい。たいていの場合、新たにご本尊をお受けして安置するまでは、南無阿弥陀仏の掛軸をご本尊代わりにしたり、住職の手にあるご本尊を仮安置したりすることとなるでしょう。

 中陰に対する考え方はいろいろあるようですが、 私たち真宗門徒は、亡き人を「諸仏」と尊ぶ身ですから、
中陰中であってもなくても追善供養をすることはありません。ですから中陰は、亡き人への追善供養のための期間ではありません。注目すべきはむしろ私たちの心の方であります。親族を亡くした私たちのための期間。言わば、 私たちのために用意された心の整理のための期間と言うべきでしょう。葬儀は、本当に突然に行うこととなるもので、とにかくやることをこなしていくだけで手一杯となってしまうものです。ですから実際に心落ち着いて身内の死の現実と向き合うのは、葬儀の後しばらくしてからになることでしょう。それを見越して、一週間ごとに法要を行い、その区切り区切りで少しずつ現実を受け止めていく、そのような期間が中陰として用意されている、というわけです。加えて言えば、日常と違う白を基調としたお飾りも、亡き人のためではなく、通常とは違う心持ちの私たちのために用意されたものなのです。
 中陰の法要の日取りは、初七日より一週間ごと二七日、三七日‥‥七七日となり、その間に初月忌(初めての月命日)を迎えることとなります。七七日で区切りの法要となりますが、この尾張地区あたりでは五七日で区切りの法要をして、中陰壇を片づける所も多くあります。前に述べたように、
中陰は亡き人の追善供養のために用意されたものではありませんから、期間にはさほどこだわることなく、それぞれの事情に合わせてお勤めすればよろしいかと思います。
 中陰を終えたら中陰壇を片づけ、平常のお飾りに戻します。お骨箱は、
お内仏の中には置きません。納骨を忘れないためにも、お内仏の傍らの目の届く場所に置いておくのがよろしいでしょう。なるべく早くしかるべき所に納骨するよう心がけて下さい。

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