ダイアとアフリカと国連![]() ダイアモンドは「永遠」、「不屈」を意味する。その言葉を体言しようとたゆまぬ努 力をしているのが世界のダイヤモンドを支配したこともあるデビアス社である。 ダイアモンド産業およびデビアス社の発展の歴史についてはこのサイトを参照して くださいな アフリカの内戦のキーワードは民族と資源である。アフリカは日本と異なり資源が豊 富な土地である。が、その豊富な資源が内戦の長期化を保証している。アンゴラにし ろスーダンにしろコンゴにせよいずれも強力な反政府組織が長期にわたり政府軍と対 峙できる資金面での裏付けは資源地帯からあがる利益であった。とりわけ、アンゴ ラ、コンゴ、そして今回中心に扱うシエラレオネの内戦はダイヤモンドと深く関わり を持ってくる。アフリカは世界のダイヤの75%近くを生産しており、当然この地域 の動向はダイヤ業界に 深刻な影響を与えるわけである では、そろそろシエラレオネの内戦とダイヤについてまとめていこうかと思う。まず この内戦の役者を確認する。直接戦闘を交えているのが政府と反政府軍・革命統一戦 線(RUF)で、その背後にいるのが政府軍ではナイジェリアを主力とするECOMOG軍 (西アフリカ経済共同体平和監視軍)、旧宗主国イギリス、イギリスを通じて国連、そ してイギリスや国連に働きかけるデビアス社。一方、反政府軍RUFの方はリベリアの チャールズ・テイラー大統領となる。そして傭兵が関与してくる。政府側にはイギリ スが雇った「世界最強」となうって現地入りさせたグルカ兵、政府軍が雇ったイギリ スの傭兵会社、鉱山での採掘権をもとでに雇った南アフリカの傭兵会社「エグゼク ティブ・アウトカムズ」がついている。それに、実態が分からないが独自の流通ルー トを持ちいくつかの鉱山を南アフリカの傭兵で支配し操業するグループの存在もあ り、第三勢力的な物とみていいのかもしれない。ただ、この独自ルートを持つグルー プというのはひょっとしたら傭兵会社「エグゼクティブ・アウトカムズ」のことであ るかもしれない。コートジボアールかあるいはこのシエラレオネだったかは曖昧なの だが、採掘権をもとでに雇われた南アフリカの傭兵会社が逆に政府を脅かして契約期 間が過ぎても鉱山を支配しつづけているというのを四年前にTVで見た事があるので、 このシエラレオネの事であるかもしれないわけで今はなんとも言いがたい。 西アフリカ一帯が良質のダイヤの産地であり、同時にこの地域のダイヤとりわけシエ ラレオネのRUF支配地域のダイヤ鉱山のダイヤがデビアス社の利益を脅かしている。 正規ルートを掌握しダイヤ市場の独占により経営が成り立っているデビアス社として は不正規ルートで流通する西アフリカ産のダイヤは看過しがたい脅威であった。デビ アスはダイヤの供給量の増加によるダイヤの値下がりを防ぎ価格統制を維持していく ためにはデビアスの資金で高値で買い取らざるを得なかった。そのデビアスの資金が 不正規ルートのダイヤを流通させている反政府軍RUFにわたり、その資金でロシアの 安くて性能のいい武器をロシアやウクライナの武器商人から買って武装を整えるので ある。このままではデビアスは負のループにはまりこみ会社を傾ける事となる。それ を防ぐために、デビアスはECOMOG軍なり、イギリスなり、国連に働きかけているわけ である。さらに、アメリカのユダヤ資本を通じてアメリカ政府にも働き掛けている。 ちなみに、デビアス社を代々経営してきたオッペンハイマー家のニッキー・オッペン ハイマー卿をはじめとするデビアスの幹部はアメリカでは犯罪者で、アメリカ国内で デビアスが直接ビジネスを展開する事はできなかった。1994年、工業ダイヤの価 格を不当に高く維持しているというかどでデビアスとGEが司法省に告発されたのだ が、GEは無罪となりデビアスが有罪となったためである。オッペンハイマー卿は「ダ イヤモンドの高価さは、物質としての価値からくるのではなく、人々の心理的な満足 感に支えられている」と発言して、ダイヤモンドは独占禁止法の適用外と虫のいい主 張をしている。で、ロビー活動の甲斐があったのかアメリカも不正ダイヤに乗り出し て国連に働きかける事になった。その結果、アメリカ、イギリス、国連がデビアスの 市場独占を擁護するという形でシエラレオネをはじめとする不正規ルートのダイヤに 乗り出す事となる。デビアスとしても不正規ルートのダイヤを血塗られたダイヤとし てレッテルを貼り自身のルートのダイヤをクリーンなイメージにする事ができるわけ で、願ったりかなったりなわけであった。 おかげさまで、国連のPKOが平和維持を目的としてシエラレオネに駐屯する事になっ た。しかも、国連史上最大の13,000人であるから意気込みが違う。アメリカは ソマリアの惨事の所為で自国の兵を投入できず、ナイジェリアとバングラディッシュ 軍の派遣を両国に要請した。もちろん、ただではないであろうが。いずれにしても、 反政府勢力の支配下にある鉱山を取り戻すのが目的で、取り戻した暁にはデビアスの 価格統制のための生産調整で鉱山が閉鎖されるんでしょう。 あと、この内戦で重要なのがカダフィーの人脈。反政府勢力で政府の副大統領(和平 合意のため)という複雑な立場のサンコー副大統領や反政府勢力を経済・軍事面で支 援しつづけるリベリアのテイラー大統領も、また反政府勢力の現地司令官「モスキー ト」と呼ばれる人物のいずれもがリビアのカダフィーのもとでゲリラ訓練を受けてい る。他にもアフリカ各地の要人でカダフィーの人脈に繋がる人がいるのでアフリカを 見る際はこれも一つのファクターとして重要である。 |