豆知識の部屋
 

これから古書を蒐集しようと考えられている方のために、これだけは知っておきたい、
知っておくと便利な用語などを集めてみました。

このコーナーで豆知識をたくわえて、みなさんも、是非原書を手にしてみて下さい。
私は、貴重な書物が図書館に入り、人目につかず淋しく余生を送るよりも、
本の大好きな人たちに、大切に読まれ保管されることが、
書物にとっての幸せだと思っています。

みなさんの家にもしも古書がねむっていたならば、図書館へは寄贈せず、
是非古書店に売ってあげて下さい。

古書達の幸せのために、古書好きな人との縁組みを手助けしてあげて下さい。


装幀(そうてい)

19世紀半ばまでの西洋の書籍は、主に書籍を購入した人達が製本をする形式になっていました。このため、同じ内容の本であっても外見がまったく違うものになります。
装幀は、革装が一般的で、本全体を革装にすると「フル装」、背だけを革装にすると「ハーフ装」(1/2装)、背と縁の上下を革装にすると「クォーター装」(3/4装)となります。革装に使用される革は、ざらざらした感じの「モロッコ」(山羊皮)、すべすべした感じの「カーフ」(牛皮)、「ヴェラム」(仔牛皮)などがあります。

back cover  ・・・裏表紙 backed〜  ・・・背〜装幀 binding  ・・・装幀、製本
boards  ・・・厚紙表紙装幀 bound/boundin  ・・・装幀されている calf  ・・・革装幀(牛皮)
cloth  ・・・布装幀 cover/front cover  ・・・表表紙 d.j.=dust-jacket  ・・・カバー
double-leave  ・・・袋綴じ ex-libris  ・・・蔵書票 full gilt  ・・・三方金
gilt  ・・・金箔装飾された half calf  ・・・角背革装幀 half morocco  ・・・角背モロッコ革装幀
ivory  ・・・象牙 Japanese binding  ・・・和綴じ lacquer work  ・・・漆塗り
leaf/leaves  ・・・丁数 leather  ・・・合成革装幀 lined  ・・・裏打ち
morocco  ・・・モロッコ革装幀 mottled calf  ・・・斑模様の鞣革装幀 p.=page  ・・・ページ
portfolio  ・・・帙 raised band  ・・・背バンド rebacked  ・・・背改装
rebound  ・・・改装 repaired  ・・・補修されている ring binder  ・・・ルーズリーフ表紙
roan  ・・・革装幀(羊皮) rubbed  ・・・擦れ痛み slip-case  ・・・函
solander case  ・・・夫婦函 spine  ・・・背表紙 stamp  ・・・蔵書印
start  ・・・綴じはずれ title-page  ・・・表題ページ top  ・・・天(小口)
uniformed  ・・・同じ装幀の vellum  ・・・ヴェラム革装幀 vignette  ・・・挿絵
vol(s).=volume(s)  ・・・巻/冊数 wrappers  ・・・仮装・仮綴


判型

本のサイズを表す用語です。
和本における判型には,「美濃紙版」,「半紙本」,「小本」,「中本」,「大本」,「横本」,「巻子本」などがあります。
西洋の場合には、大きいほうから順番に「フォリオ」(二つ折り判),「クォート」(四つ折り判),「オクタヴォ」(八つ折り判),デュオディシモ」(一二折り判)などがあります。**折り判とは、原紙1枚を何回折って1ページのサイズにしたかを示しており、折り数が少ないほど大型となります。

Folio  ・・・フォリオ (35×22センチ以上) 4to.  ・・・クォート (25×20センチ程度)
8vo.  ・・・オクタヴォ (22×15センチ程度) 12mo.  ・・・デュオデシモ (17×10センチ程度)


製版技法

製版技法には、主に3つの様式があります。
@ 凸版:黒く刷られている部分が浮き彫りにされるもの。
A 凹版:線が彫り込まれているもの。
B 平版:線を刻まず、圧力だけで図像を転写するもの。

また、原版材質と製版法を組み合わせた、版画技法のバラエティーは以下のようになります。

 ”木版”
@ ウッドカット:材料に木を使用した凸版です。ふつう版木に「板目」(木をタテ切りにしたもの)を使うので、板目木版ともいわれます。
A ウッドエングレービング:ビュランという道具を使って線を彫り込む凹版印刷です。硬い版木を必要とするため、年輪が見える木口に彫り込みます。このため、「木口木版」とも呼ばれます。

 ”金属板”
@ エングレービング:ビュランなどの彫線用器具で金属板に鋭い傷を付け、印刷を行う方法。傷の部分にインクが残り、紙に印刷を行うと線が描ける。最も基本的な技法です。
A エッチング:腐蝕製版と呼ばれる技法です。金属面に傷をつけた後に、酸に浸し腐蝕させます。この部分にインクをためて刷ります。この方法では、線だけではなく面も刷ることができます。
B メゾチント:ドイツのルートウィッヒ・フォンジーゲンによって、十七世紀考案された方法です。金属面に無数の線を引いて腐蝕させた後、この腐蝕面を特殊な道具で削り取ると、その部分だけ白く浮き出るようになります。
C アクアチント:粗い松脂の粒を金属面に塗り、酸に浸けることにより、細かいひび割れ模様が現われます。この手法を使うことにより、ハーフトーンが出せます。
D スティップル:金属面に線ではなく、細かい点を刻んでいく方法です。この方法は、銅板カラー印刷用の技法として好まれました。

 ”石版”
@ リトグラフ:十八世紀末にドイツのゼネフェルダーによって考案された方法です。石灰質の石面に特殊な油性クレヨンで直接図を書き込み、その上にアラビアゴムを引き、油性インクを塗ると、クレヨンを引いた部分にのみインクが乗るので、これに紙を押し当て写し取るものです。
A クロモリトグラフ:リトグラフを色重ねにしたカラー印刷です。現在の四色分解カラー印刷などと原理的に同じものです。

chromo-lithograph  ・・・色刷石版印刷 collotype  ・・・コロタイプ印刷 colour/coloured  ・・・彩色された
engraved  ・・・銅刻図版 etching  ・・・エッチング(腐食銅板) full-page illus.  ・・・図版
hand-coloured  ・・・手彩色 illus.=illustration  ・・・挿絵 in black & red  ・・・黒・赤2色刷
lithographed  ・・・石版刷 mono.=monochrome  ・・・無彩色の photo.illus./photo.plate  ・・・写真図版
plate  ・・・図版(頁に数えないもの) pochoir  ・・・ステンシルの一種 port.=portrait  ・・・肖像画
table  ・・・図表 tinted  ・・・淡彩色の vignette  ・・・表題ページの挿絵
woodcut  ・・・木版刷

古書籍に関する情報をお待ちしています。
 

e-mail:tmiwa@owari.ne.jp


Page Desing by Biblio